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「未熟なわりに諦めの悪いやつよのう」
「卒業まで生きられなかった、それが私の未練、でも文集の中に私の名前があった事で少し自分の中で区切りが付いたと思ったんです、こんな小さい未練でも私は苦しかった、でもそれよりも苦しんでいて、これからも苦しみ続けて悪霊になるなんて」
「いかんな、すでにひとつの未練となりつつある、ではひとつ賭けをしてみるか、それが叶わねば自らの力の無さを認め、ここの事は諦めよ」
「何か方法があるんですか?」
「解決の術、その実は単純であり天地の流れを呼び戻せればよい」
「どうやって流れを戻すんですか?」
「それが分らんから我は待つしかないのだ、調べようにも守人である我は社の境界より外に出る事ができんからな、ただひとつ思い当たるとすれば不自然に途切れたように思う」
「不自然?」
「例えるなら木が徐々に枯れたというより、切り倒された感じだな」
「うーん、私だけじゃあ無理そうなので、ちょっとお願いできそうな人のところに行って来ます」
と、言ってうちに飛んできたらしい……。
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