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3.対局開始
「こうたくん、先手。おじさんが後手でいこう。」
「え?先手でいの?やったー!」
(確か将棋って先手の方が有利だったよな…大丈夫かこの人…)
心配する山本をよそに勝負が始まった。
「お願いします!」
こうたが元気に言う。
「お願いします。」
いぞうが静かに答える。
パシッ!!
対局がスタートした。
(こうたくん、指し方かっこいいな。それに比べて池手名さんのダサイ指し方はなんだ。大丈夫かな。)
山本が心配するのも無理はなく、こうたがテレビで見るプロ棋士のような指し方をするのに対し、いぞうの指し方は、親指と人差し指で駒の両サイドをつまみそっと置くという、これ以上ないというくらいカッコ悪いものだった。
そして、10分が経過した。
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