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「来週、結婚指輪見に行こう」
「本当?嬉しい」
「うん、できれば籍は来月には入れたい」
「え、早すぎない?」
「再来週には日向の親にも挨拶に行きたいと思ってる」
「え、だから早くない?」
俊哉は不満そうに嫌なの?と聞いてきた。
嫌じゃないけどと口ごもると
「早く俺のものにしたいだけ」
なんて聞くだけで甘くて溶けそうな言葉を吐いた。
結局私たちは、次の週には結婚指輪を購入してその次の週には私の親と俊哉の親に挨拶をして
俊哉がどうしてもっていうから(べつにいいのに)私の誕生日に予約していたレストランで再度プロポーズされた。
わかっていて受けるプロポーズは何よりも緊張した。
「ずっと愛してる。俺と結婚してください」
「…は、はい」
この間受けたプロポーズよりもさらに甘い言葉を吐く男に私は今日も明日も明後日も―…ううん、何年先だって彼に夢中なのだと思った。
【END】
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