エピローグ

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 挙式する前日に、夢子は婚約者と武藤孝雄の墓前にいた。  これまでは亡くなったことが認められず、どこか冬山で生きているような気がして、ここに訪れることはなかった。  墓前に花を供え、お線香をあげ、祈りを捧げる。  婚約者の晴人は、孝雄のことも含めて夢子のことを好きになってくれた寛大な男性だった。 「孝雄くん、私、晴人さんと結婚します。でもあなたのことは忘れないわ」  青空に孝雄の笑顔が浮かんだような気がした。                                了
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