第2章 ガルーアミルク

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 夢子は高校の校庭で、四月にしては驚くほど、穏やかな午後の日差しを浴びながら、ジョギングしていた。顔に当たる風が心地いい。  高校時代、夢子は陸上部に所属していて、長距離の選手だった。  ふと人の気配に気づき、夢子は振り向く。同じ陸上部の武藤孝雄がすぐ後ろを走っているのが見えた。  引き締まった脚と逞しい体型。  夢子は彼にしばし、見とれた。そして一目惚れをした。  そんな夢子には気づかない素振りで、彼は楽々と夢子を抜いて行った。
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