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「なるほど。同じ陸上部で、一目惚れだったわけですか?」
ブルーバーのマスターの質問は、複雑に絡まった思い出のリボンをほどいていってくれているように感じる。
「はい、そうなんです。……それであれからよく考えたんですけれども、まだあの、恋人を忘れられるカクテルを飲む勇気が出てこないんです」
「そうですか? それでは今日は、何を?」
マスターは微笑みながら、夢子の返答を待っている。
「ガルーアミルクをください」
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