仲良くしよう!

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 椿にそんな違和感を抱かせているとは思ってもいない秋夜は、一人電車の中で悶々と考えていた。 (20歳か…3歳年上ね。) 椿の連絡先を知った時、本当に嬉しかった。 だが、椿と出会ったのは今日の夕方。まだ数時間しか経っていない。 それなのに初めてあったというような感覚は全くしないのであった。 そのことを踏まえて考察するとすれば (どこかであったことがあるのか…?) この言葉しか浮かび上がってはこなかった。 電車が最寄りの一つ前の駅で止まる。 少し暑さを含んだ風が秋夜の髪の毛を揺らした。 そんなことも気にせず、秋夜は考え続ける。 あのミステリアスな雰囲気に、誰もが振り向くような完璧な容姿。 一度見たらきっと忘れずに脳裏に焼きつくはずだ。 秋夜は、記憶の糸を順々に辿っていく。 でも、椿のような美しい青年は出てこない。 (椿は一体何者なんだろう) どんどん椿がミステリアスになっていく。 と、考えているうちに、電車が止まった。 もう少し、一緒にいればわかるかもしれない。 (休みの日が重なったら一緒に思いっきり遊ぼっと!そしたら何かわかるかもしれないから) そんな期待を胸に秋夜は最寄りの駅で電車を降りたのだった。 「休みの日、遊びませんか?」
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