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「ようこそ、Alice。ここはあなたが望むことをなんでも叶えてくれる場所。どうぞゆっくり、堪能してください」
いつものようにセリフを言い、姿勢を正す
そこには、顔を赤くして小声で「ヤバイヤバイ」と呟く女子高校生と、
興味ありげに椿の方を見てくる男子高校生がいた
(こんな女の子のためのカフェに男性客が来るなんて珍しいな。というか男性客ってどうやって扱えばいいのかわからないんだけどな…。どうしよう)
普段は、手を取って席までAlice(客)を連れて行くのだが、男性客に男性が手を取って案内するのは如何なものか
少し、いけない感じになるかもしれない
数秒ほど頭を巡らせたが、いい考えは浮かばず。
多分断られると思うが、椿はシナリオ通りに行くことにした
「…さぁ、Alice。お手をどうぞ」
手のひらを二人のAliceに向け、微笑みをこぼす
「いや、俺は大丈夫です。こいつの付き添いみたいな感じなので」
案の定、男性客の方は即答。
「そうですか…。では、Alice。今度こそお手を」
「は、はい」
そう返事をしたAliceは、椿の手のひらにちょこんと手を乗せた
「ふふ。可愛らしいAliceだ。では、ご案内します」
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