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2人のAliceの名前は女性客が[雪見]、男性客が[秋夜]というらしい
それからは、
「雪見ちゃんに、秋夜くん。綺麗な名前だね」
なんて言いながらAliceがお茶を飲んでる時に雑談をしたり
「ねぇ、僕に、どうされたい?」
壁ドンしたり(雪見に)して、椿は雪見と秋夜を接客した
「あの、白王子!また会いに来てもいいですか?」
「大歓迎だよ。いつでもおいで」
椿は、帰る準備をしている雪見に笑顔を向ける
それを見ていたらしい秋夜が、椿の肩を軽く叩いて
「白王子~、俺は?会ってくれる?」
と聞いてきた。
まさか、聞いてくるとは。
秋夜の様子を見て、もう来ないだろうと思っていたが、それは勘違いだったらしい。
そう考えた椿は、嬉しくもあったが、ビックリしていた。
「大歓迎だよ。けど、女の子が多いから結構浮いちゃうかなと…」
「大歓迎!?よかったぁ。じゃあ安心だ」
椿の返答を聞いて、秋夜は満面の笑みを椿に見せた。
(そ、そんなに喜ぶんだな…)
秋夜の喜び具合に驚いたが、心があったかくなったような気がする。
「そろそろ行くか。じゃあね!…あ、白王子、これあげる」
そう言って渡されたのは
「折り鶴?」
なんとも綺麗に折られた白色の鶴だった
でも、店には白い紙はない。だとすれば、ノートなどをちぎって作ったのか。くちばしの部分がギザギザしている。
「ね!綺麗に折れてるでしょ?あげるよ。今日のお礼」
そう言うと、秋夜はあまり展開についていけてない雪見と一緒に、店を出ていった。
「なんだったんだ…?でも、よく折れてるな」
鶴をまじまじと見つめ、その出来具合に感動すら覚える
「あれ?」
だが、鶴の羽の裏側に、何かが書かれていた。
それは
「“お仕事終わったら、土袋駅の東口に来てね”?」
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