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だからこそ、俺が知ることができたのだけど……。 君が俺の事を慮って一人で何とか解決しようとしていることはすぐに分かった。 でも、俺の職業が保守的な環境にあるからといって、君だけが無理をする必要はないんだよ。 ◆ 「どうぞ、俺の職場なりどこになり、触れて回って下さい。」 対外向けの笑みを貼り付けて俺が言うと、相手は一瞬たじろいだ。 「俺自身、彼より大切なものなんて無いんですよ。 だから、言いたいのならどうぞ、ご自由に。 まあ、もっとも、すでにあちらこちらで言いまわってくれているようですが。」 「ちょっ!?お前、いいのかよ!?」 君が慌てて止めに入るが「大丈夫。」と笑いかけると俺の覚悟が分かったのか押し黙った。 「そういう事ですので、今後一切、彼に変な脅しをかけないでくださいね。」 そういうと、君の手を引いてその場から離れた。 「いいのか?」 普段の態度から信じられないくらい、本当に心配そうに君が聞くから逆に俺も吹っ切れた。 「そもそも、今の職につけたのも君が支えてくれたからだし。そもそも、もう俺の人生君無しなんて考えられないんだよ。」 君だってそうだろう?だからこそ、嘘でも酔っ払いのおふざけにできなかったんだろ? 「困ったら駆け落ちでもしよう。」     
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