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「よーし! 前から連絡していた課題を集めるぞー。後ろから前にまわせ」
担任教師が放課後前のホームルームで放った言葉に対して、青い顔をしたのは幼馴染の朝倉芽衣だった。
カバンの中を掘るような勢いであさるが、成果は得られなかった様子。
おどおど、おろおろ。
誰が見ても一目瞭然だろうが、彼女の現状を推測するに解答はふたつ。
課題を家に忘れたかそもそもやっていない。
このどちらかだ。
普段ならば「忘れました。明日持ってきます」で済むことだろう。
しかし今回は違う。
以前から何回もしっかりとやってこいと言われていた。
付け加えるならば、提出できなかったやつは放課後居残って終わらせろとまで言っていた。
課題はそこそこな量がある。
全力を尽くしても放課後の部活やら予定やらは潰れてしまうだろう。
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