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「先生。俺も課題忘れました」
だから俺も手を上げた。
クラスメートの視線が集まる。
担任教師はまたわざとらしくため息をついた。
「他はいないか? いないな? それじゃあ朝倉と飯岡は放課後職員室に課題を取りに来い。終わったら提出しに来るんだぞ」
その後、特に連絡事項もなくホームルームは終わった。
部活動、帰宅、委員の仕事――各々が自分たちのすることに向かう中、俺と芽衣は課題を
受け取り、教室に戻ってきた。
机をくっつけて向かい合い、さっそく課題に取り掛かった。
「こうちゃんが課題忘れるなんて珍しいね」
芽衣がふんわりとした口調で笑いかけてきた。
「まあ、そうゆう日もある」
返答しながら、氏名の欄に飯岡幸助と記入する。
「ごめんねー。ペットショップ行けなくなっちゃって」
「俺も課題を忘れたんだ。謝ることじゃない」
ペコリと頭を下げるにフォローをいれる。
「そっかー。じゃあ、おあいこさんだねー」
「……ああ。そうだな」
少し考えてから返事をした。
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