第一章

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先生はそれを横目にしながらも、私への愛撫を止めようとしなかった。耳に舌を這わせてねっとりと舐め上げ、片手で私の着ているワンピースのファスナーを下げる。私の興奮も絶頂になり、ゾワゾワと身震いした。 これは、夢なんだろうか。 夢だとしたら、一生覚めなくていいのに。 けれど先生の一言が、私を現実へと引き戻す。 「.........あの時と、逆だな」 先生はそう言って、私の左手の薬指にキスをした。 私の薬指に光る、結婚指輪。 その指輪の裏には、私のイニシャルの隣にもうひとつ、"T"のイニシャルが彫られている。 つづく
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