最後になってしまったけど伝えるよ

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貴方の体の中にはまだ5歳位の女の子が抱かれていた。 「皆実!」 お母さんらしい人が走ってきた。 だが、私はただその場に立ち尽くすことしかできなかった。 「だ、大丈夫か。」 「うん。」 「よし、それなら今度からは気をつけるんだぞ。」 貴方は女の子の頭をポンポンとした。 「あっ、」 彼が力無き手でおいでと私を呼んだ。 「ちょっと大丈夫なの。」 「あー。ちょっと無理かも、内臓のどっか破裂したかも。」 「えっ。」 「そんな顔すんなって。女の子一人生きることができるんだからいいじゃん。」 「だって。」 「じゃあせめて最後に答えてくれよ。思い、聞きたいんだ。」 「私は、貴方のことが好き、好き好き大好き。」 「良かった。」 彼は最後にとびっきりの笑顔を私にプレゼントした。
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