2人が本棚に入れています
本棚に追加
貴方の体の中にはまだ5歳位の女の子が抱かれていた。
「皆実!」
お母さんらしい人が走ってきた。
だが、私はただその場に立ち尽くすことしかできなかった。
「だ、大丈夫か。」
「うん。」
「よし、それなら今度からは気をつけるんだぞ。」
貴方は女の子の頭をポンポンとした。
「あっ、」
彼が力無き手でおいでと私を呼んだ。
「ちょっと大丈夫なの。」
「あー。ちょっと無理かも、内臓のどっか破裂したかも。」
「えっ。」
「そんな顔すんなって。女の子一人生きることができるんだからいいじゃん。」
「だって。」
「じゃあせめて最後に答えてくれよ。思い、聞きたいんだ。」
「私は、貴方のことが好き、好き好き大好き。」
「良かった。」
彼は最後にとびっきりの笑顔を私にプレゼントした。
最初のコメントを投稿しよう!