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私はいつものように電車に乗っていた。
喉かわいたな。
持っていた水筒のお茶を飲む。
ドンッ。
何かがぶつかり水筒の中身が飛び出て服が濡れてしまった。
「うわー。」
「ご、ごめん。」
それが貴方との出会いだった。
「本当に昨日はごめん。」
「別にいいよ、お気に入りの服じゃなかったから。」
「じゃあお気にだったらやばかったのか。」
「そうだね。」
「良かったー。」
全然よくないでしょ。
「じゃあお詫びするから今日の午後は開けといてね。」
「私、部活は入ってないから大丈夫。」
「よし、授業終わったらデートだー。」
げっ。
私はクラスの人と関わりを持って、女子の集団のめんどくささを持つのが嫌だったので、クラスの人の名前を覚えていなかった。
でも、最初に覚えた名前が貴方だった。
放課後あいつと一緒に近くの大きなデパートに行った。
「かー、うめえなぁ。やっぱり女子が一緒だと違うなぁ。」
「最初からそれが目的だったんじゃないの。」
「まぁそうだけど、いやいや断じて違う。」
もう認めてたよね。
結局二階でクレープやアイスをおごってもらった。
「じゃあそろそろ帰るからね。」
「じゃあ俺も帰るわ。」
二人で並んで階段を降りていたところで、上から走って降りてきたおばさんの肩が私の肩に当たった。
やばい。
私はせめて頭を守ろうとした。
だけど頭はおろかどこにも痛みはなかった。
「大丈夫か。」
あいつが私のお腹に腕をまわして、助けてくれた。
「しっかし謝りもせずに行くってひでえなぁ。」
「助けてくれたのは感謝するけど恥ずかしい。」
「あっ、ごめんごめん。」
あいつは腕を私から外し、階段を降りていった。
「じゃあまた明日。」
「うん。」
お互い手を振ってから家に帰った。
この時からだ。
貴方への気持ちが変わり初めたのは。
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