2人が本棚に入れています
本棚に追加
彼と回っていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。
「さ、次で最後のシーンよ。」
劇はあっという間に進んでいき、ラストのキスシーンまでいった。
「姫、貴方に初めて会ったときの君の優しさを僕は好きになった。これからもずっとそばにいてくれ。」
「私なんかでよろしいのですか。他の国には私なんかよりも貴方にふさわしい女性は沢山います。」
「僕は君の優しさに救われた。今までは沢山もう消えてしまいたいと思うことが沢山あった。僕は君にそばにいてほしいんだ。」
「王子様、わかりました。こちらこそお願いします。」
いよいよキスシーンだ。
最終的には彼の体で私を隠すと言うことで決まった。
「ん、んー。」
彼の唇が私の唇と重なった。
「ちょっと。なんなのよさっきの。」
私は彼を呼び出し、ちょっと怒鳴ってしまった。
「伝わらなかった?」
彼の顔は私の心をドキドキされる顔に変わった。
「劇の中でもこの現実でも俺のそばにずっといてください。」
ん。んー。私の瞳からは涙が溢れていた。
「今日は一緒に帰るからその時返事を聞かせてね。」
最初のコメントを投稿しよう!