第1章 想像で創造

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第1章 想像で創造

 天宮大和は悩んでいた。 「はぁ……」  わかってはいた、わかってはいたがやっぱり現実では無理なのか……黒魔術、儀式系、呪文、どれを試してもなにも起こらず、刻一刻と時間だけが過ぎていく。 「そろそろ登校時間だな」  今日の授業分の教科書を入れ、靴を履き家を出る。 「やっぱり無理だよなぁ……」  アニメや漫画の世界に憧れを持っていた彼は、子供の頃から可能な限りの非現実的な行動をしてきたが、成功した試しはない。 「おーい!」  ヤル気なく登校していると後ろから笑顔で近づいてくる男。 「天宮ー!」  俺の数少ない友人、水戸合気だ。 「元気ねぇなぁー 」 「寝不足なだけだ」  すると合気はニヤニヤしながら聞いてきた。 「またやってたんだろ、いい加減諦めろよ毎日毎日よくあきないねぇ」 「うるせぇーよ」  成果が出ないのは俺が一番わかっている。  予鈴の音が鳴り響く。 「やべぇ!予鈴の音だ急げ天宮!」  俺の通っている学校、新堂学園は学問に力を入れている学校である、遅刻などしようものなら減点対象になりかねない。 「まぁ俺は別に減点されてもいいんだけどな」 「はぁ!何言ってんだよ!」  全速力で教室に駆け込む、HR3分前である。 「ま……間に合ったぁー!」
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