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「俺をあまり走らせるなよ」
「悪い悪い」
少し走っただけで息が荒れる……、そろそろ体力作りしなきゃな。
本鈴の音が聞こえ生徒が全員席に座る。
今日も退屈な授業が始まる、子供の頃から同じ生活だ。
家にいるときは基本アニメや漫画を参考に、儀式や黒魔術に取り組んでいる。回りからすればただの中二病なのかもしれない……、でも俺は……俺は……。
「本気なんだ!!」
ザワッ!
全員の視線が俺の一点に集まるどうやらいつのまにか寝ていたらしい、こんな大声を張り上げて起きたら誰だって見てくるだろう。もちろん先生にも聞こえているわけで。
「天宮くん、後で職員室にくるように!」
そのあと職員室に行き、ひどく怒られたのは言うまででもないだろう。どうやら昨晩から朝方までやっていた黒魔術のせいで眠くなったようだ。まぁやっていた黒魔術は悪魔降臨の儀式で眠気には何も関係ないわけだが……。
「お前さぁ、いい加減にしたら?」
合気が心配そうな顔で俺の顔を見てくる。
「目のくまが凄いし、急に叫ぶし、体がもう限界なんだって、黒魔術で夜ふかしなんかするからだろう。そろそろ真面目に勉強しねぇと進級できねーぞ。俺だけ進級で2年生とかマジで嫌だからな!」
こいつとはもう9年間の付き合いになるケンカもよくしたが、俺が黒魔術や儀式をやるようなやつでもいつでも隣にいてくれた。これも心配して言ってくれてるのだろう。
「わかっている、心配かけて悪かったな 」
「おう!」
相変わらずの笑顔で言ってくる、そうだよな夢物語だよな……。
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