第1章 もしも浦島太郎が玉手箱を空けなかったら

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せっかく有力な情報が得られたと思い、ここまで死ぬ思いで歩いてきたのに、結局今回も鬼には会えなかった。それどころか、人に話を聞くこともできない。鬼に襲われたであろう痕跡はあったが、本当に鬼のしわざかどうかは断定できない。建物はどれも老朽化が進んでいたため、台風やなんらかの災害によって壁や柱が壊された可能性だってある。私は落胆した。また1から情報を集めなければならない。そう思って村の方を振り返ろうとしたとき、砂浜の端の方に人影が見えた。
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