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出会いなんてわからない。
本当に来るのかな、いそいそと準備を始める私
デートなんていつぶりだろう。
彼は年下なんだろうから、遊びと割り切ればいい。
たぶん向こうもそう思っているだろうから。
会社の前は、土曜日でも出勤してくる人がいるから、出会ったらなんか言われるなと思い、道路の反対側を見た。公園の入り口のポールにこしをかけ、上を見上げている彼。
仕事着のつなぎじゃない、Tシャツにパーカーのジャケット、チノパン姿
やっぱり若いな。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
「上、気になります?」
頭をかきながら、仕事柄どうも癖でといった
この頃は地下に電線が入ってしまったから空を見上げなくなったのではと聞いた。
「でも、こういう時は、いやでも上に登らないといけないんですよ」
「いやですか?」
「天気に左右されます」
「外ですものね、大変ですね」
「すみません、こんなところで」
「いいですよ、お花見がてら、歩きます?」
はいという彼と、階段を下り、公園をぬけ、駅のほうへと向かった。
付き合ってくれるとは思わなかった。
「彼氏募集中でーす」
ふざけて言ってみた。
手を上げる彼
「それ応募します」
おかしくて笑ってしまった、何も知らないのに。
これから知って行けばいいんじゃないですかと言われた。
そうかもね。
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