ひだまり 公園にて

上を見上げる人

映画は何を見に行きましょう
「小川さんはどんなのが好きですか？洋画、邦画？」
どっちも見る、でも洋画の方がいいかな、字幕読むのはつらいけど
そう言いながらあれ見ませんかと言われたのは今噂の映画、当たり外れはなさそう。
チケットを買ってくるという。お金を渡した。
「いいです」
「自分の分、いいでしょ？」
誘ったんだからいいと言われたけど、私も見たかったと、お金を握らせた。
一瞬だったけど、熱い手、緊張してるんだろうな。
話題の映画は混んでいた。
「混んでるなー、あ、そうだ、ちょっとここで待っててくれますか？チケット貸してください」
彼はそれを持ってでて行った。ちょっと待っている間に、みるみる座席が埋まっていく。
「お待たせしました、コーラでいいですか？」
「ありがと」
「上なんです、行きましょう」
背中を押される、階段を上って行くと、変わったシ－ト
「ペアシートだそうです、どうぞ」
「へー、半個室みたい」
「いいですね」
「そうね」
ちょっと体を起こすと隣のアベックの足しか見えない。
へーこんな所があるんだ。
「あの？」
「はい？」
「終わったら食事でもいかがですか？」
ひっしさが、もろ
「はい、お願いします」
笑顔で答えた。