上を見上げる人

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映画が始まった。 SFファンタジー、久し振りに大きい画面に大音量で楽しんだ。もう忘れよう、過去のことより、今を楽しもう、何も悩んでも過去は帰ってこない。 行きずりの恋だっていい、自分の目に間違いはないって今だけ思ってみよう、ふざけてたっていい、これきりの恋なら。 「面白かったー」 「うん、久し振りにヒットかも」 映画館を出て、ちょっと歩いた、駅の反対側 「この辺初めてかも」 「そうなんですか?会社と自宅の往復だけですか?」 「まだね」 「まだ?」 「ええ、仕事代わってまだ一年半なの」 「へー、俺の会社、この近辺が中心何で、よく来るんですよ」 「そうなんだ、今度こっちにも来てみよ、いいところ教えてもらっちゃったかも」 おすすめの和食やさん ちょっと高級そうで、敷居が高そうな感じだったけど、リーズナブル 懐石料理のランチは松花弁当風 「穴場でしょ」 「なんかうれしい」 そう言ってくれるとうれしいと言って笑う彼の顔がまぶしい。 ちょっとのお酒といろんな話をし始めた。仕事の事、すんでいる所の話。 趣味、そうなると自然に出てきた。 年齢 「ウソー、二個しか違わないの?」 「マジっすか、俺もっと下に見えてた」 二十八、三十までもう少し、俺、二個下。マジ、マジの連発。 「私なんか、大学生ぐらいかなって思ってた」 「ほとんど変わんないじゃないですかねえ」 「よかった、話しについていけるかも」 「何でよ」 「だって、年下じゃあ、話しなんて合わないわよ、聞く一方だもん」 「だもんって、そんなにギャップ感じる?」 「感じるでしょ」 なんかこの友達みたいな感じいいなー コーヒーのお替りに、景色もいい 二時間も話し込んでしまった。私の名前の由来、彼の名前の話に、どうでもいい話は同年代の話。 「ワー、こんな時間、平気ですか?」 「私は平気だけど、あー、お洗濯?」 「ほとんど仕事着ばっかりなんですけどね」 「それじゃあ、ここ出ましょうか?」 立ち上がった。 割り勘で 嫌だという彼は無理やりお勘定をした。 外に出て半分払うというと、今度会う口実がほしいと言われた。 木曜日、会社の前の公園の電灯の交換作業後、公園で待ち合わせ。デートの誘い、うれしいな。 「でも一度会社に戻るんじゃないんですか?」 「着替えだけです、持ってきて、着替えればいいんで」 「それじゃあ、お言葉に甘えます」
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