上を見上げる人

17/17
前へ
/47ページ
次へ
「ふー、重い、この階段きついわ」 大きなおなかを抱え、公園に止めた車から会社に向かっていた。 「いい会社だな、子ずれでも来てくれって」 「うん、最高の職場、前の会社辞めてよかった、ねえ、聞いた?」 「ああ、この公園の話だろ、でも、違うような気しない?俺、江、見たの会社の窓からだったよな」 「でもね」 出会いはその前にあった。 「いつ?」 「クリスマスのライトアップの準備していた時」 「嘘ー、俺しらない」 覚えてなくて当たり前、ここの花壇に、飾りをつけるための資材を運んでいた。私はそこを通り過ぎただけ。 「そんなー」 「もしかしたらそれで終わってたかもね」 「でもがっちりいただきました、その話、本当かもな」 「そうかもね、パパ、これからも幸せにしてくださいっていわなきゃね」 「幸せカー、頑張るぞー」 彼は私のおなかを触り、腰にてを当てながらゆっくりと歩いた。 私は彼とここで出会ったことを感謝していた。 上を見上げる人、おわり 次のお話に続くよ
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加