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仕事帰り、名刺サイズの案内を見ながら、駅の向こう側へとやってきた、久しぶりだな、新人の歓迎会以来か。
へー、こんなところにあるんだ
地下ではない、上に伸びる階段を上った、狭い階段は俺の体をいっぱいに感じさせた
やせたほうがいいな。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
「あ」
カウンターの中にいる彼女を見て思わず声が出た。
「来てくれたんだ、どうぞ」
「いらっしゃいませ」
彼女と、背の高いイケメンバーテンダー、ちぐはぐのような感じがしたが、ふたりとも黒いベストが似合ってる。
「今日はありがとよ」
いつの間にか隣に座る、ひげ面のワイルド系ロン毛おやじ。
「この人は所長、兼ここのオーナー」
「好きなのおごるぜ」
「所長さんて?」
「あ、名刺、ケンちゃんある?」
三人の名刺が黒いテーブルの上に並んだ。俺も出した。
「吉川学」
「まなぶさんですか」
それをのぞく三人
「はい、木根偵事務所、探偵ですか、ご兄弟でも健一さんのは、なんでもや?」
実際何でも屋だという。
彼女、星野美羽、名前負け、きれいな名前なのにな。
「なに?」
「いやー、なんかなー」
「ガキだからな」
「ガキゆうな」
「だってお子ちゃまだもの」
その喋り方にどきりとした。
「健一さん、こっち?ですか?」
「ノーマルよ」
オカマっぽい喋り方、イケメン顔と合わねー
本当におごってもらった、今度は客で来ます。
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