本を読む人番外編

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昼休み、外もあったかいからどうですかのメールに久しぶりにあの公園に向かった。 今までは寒いのと、俺たちも二月までは忙しかったりで、昼はなかなか会えないでいた。 夜はもう、二人の部屋を行き来する関係ではあったが、それ以上の進展は、いや、今日言うべきだろう。階段を下りると手を振る彼女。 階段を駆け下りる。 そこを大きなお腹を抱える女性をかばうようにしてあがってくる男性とすれ違った。 男性の幸せそうな顔。 俺もあんな顔が出来るのだろうか、足取りがゆっくりになった。 「お疲れ様、はいどうぞ」 「ありがと」 渡されたおにぎりをほおばる。 「祐」 「なに?」 「…」 「三月だね、また桜の時期になってきたね」 「あのさ、俺、桜見れない」 驚いた顔の彼女、でもすぐに、にこっと笑った。 「移動?そんな話してたもんね、どこに行くの?」 「横浜」 「そんな遠くないじゃん」 「うん、でも今みたいにはいかない、忙しくなる」 「そっか、でもやりたいことだもんね、よかったね」 彼女の手が震えているような気がした。ここは関東だが横浜となると逢えるのは週末、でもそれもできるかどうか、役職が付けば休みはあってもないようなものになる。 ここでいわないと・・・いわなくちゃ! 「あのさ、結婚しようか」 「・・・うれしいな」 ぽろっと涙が落ちた。 「目にゴミが入った」 目をこすりながら下を向く彼女の表情が見えない。 肩を抱いた。 表情が硬い。 これだけじゃ信じてくれないのか。 ほほにキスをした。離したくない。 抱いた耳元で、決めた! 「ついて来てほしい」 胸の中で頷く彼女
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