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「ありがとう、幸せになろう」
「あは、バカップルだー」
急に大きな声が聞こえた。俺の言葉は聞こえたのだろうかと思うほどの男性の声にびっくりして、俺達はそっちを見た。
がたいのいい男性が、幼い顔の女性に話してる、声が通る、行き過ぎる人たちがそのアベックを見て笑っている。
「おれ、ぱぱ?」
「だから、そうだってば!」
「ダブルで幸せだ~」
「そうだね、幸せだね、帰るよー」
「はーい、待って―ママ」
「うっせー!」
みんなが見てると耳を引っ張ていく女性。
ぷー何あれ?
クックックッ笑っちゃ悪いよな
幸せそう、赤ちゃん出来たんだね
「俺たちも幸せになろう」
「お願いします」
笑いながら涙を流す彼女を抱きしめた。
俺達は結婚した。
「結構山なんだね」
「坂多いな」
新しい新居は会社の社宅
「ねえ、公園があるよ」
「やっぱりこの辺はあったかいんだな、もう咲き始めてる」
開いたベランダから外を二人で見た。
休憩、彼女の作ったアップルティーを飲みながら、外の風景を見た。
あの公園に似てるねと言う彼女
そうか?どう見てもこっちは子供向けだよな、遊具もあるし。
「あの公園ね、ちょっとした迷信があるんだ」
「迷信?」
あそこには、恋愛の神様がいる、あそこで出会ったカップルは幸せになる。
「じゃあ俺たちもだね」
「みて」
そう言われ公園を見た。すり鉢状ではないが坂の下、その坂に座り込む何組かのアベック。
あの公園は叔父さんばっかりだったのにねと言う彼女
「だからかもな」
「なに?」
叔父さんばっかりだから、そこで願う声がまっすぐ神様に届いたのかも
「なんて」
「そうかもね、叔父さんの願い事じゃね」
「でも叔父さんでも恋人がほしいとか願ってる人がいるかもよ」
「そうだね」
「さて、もう少しだ、やっちまお」
「うん、これ何処置く?」
俺たちの新しい生活が始まった。
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