本を読む人

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明日から雨、春の長雨、しばらくは公園には行けない、今日で見納めだな。 公園に着いた 「えー、いっぱいじゃん」 昨日までの指定席には、もう人がいっぱい、彼もいた。 残念、見まわすと、坂の上に座れそうな場所発見 桜の木の下、もうつぼみが開きそう。 明日からの雨が風をひきこんでいるのか、ベンチで寝るリーマンの邪魔をしてる。 風が吹くたび、帽子を押さえる人もいる。 上から見てるとまた、いつもと違う風景が見えてくる。 弁当を開け食べ始めた。 あれ、さっきまでいたのに、どこ行ったのかな、帰ったのかな、残念、目で探すリーマン。 「隣、いいですか?」 その声に見上げた。彼がいた。 あわわ、[どうぞと]いう声しか出なかった。 彼が近寄ってきた。 うわー 「ごめんね、下から、見えてたんだ」 足元を指さした。 慌てて、スカートの裾を押さえた 「ありがとうございます」 お弁当を包んでいたハンカチと、お尻に敷いてあったハンカチをつないで、スカートの裾がめくれないようにした。 「考えたね」 「お昼休み短いんで、もったいないから」 何言ってんだろ クス、クスと笑われた。 そして水筒を出した。 「いい匂いに誘われてね、それ、何?」 「ストレートのアップルティーです、よろしければお飲みになりますか?コップ、ありますよ」 二重になったコップを見せると 「ごちそうになろうかな」 そういってくれた。
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