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「この香りか、この間、僕はあそこに座ってたろ、すごいいい匂いがしてきたんだ、そして君の横に座ったら、隣からしてきた、ほんとにいい匂いだ」 「ありがとうございます、まだ寒いから、あったかいほうがいいですしね」 「そうだな、桜も、もう少しか」 上を仰ぎ見た。 「明日からは雨だから当分来れないし、お花見の時期は、ここいっぱいになりますもんね」 「そうか、雨か」 話しちゃった、超うれしい、声もやっぱりいい声。 ごちそうさまと返してもらったコップ。そして時間 「それじゃあ、ごゆっくりどうぞ」 お尻を挙げたとき、敷いていたハンカチが飛びそうになった。 それを押さえてくれた彼からふわっとにおいがした。 「ありがとうございます」 「じゃあね」 そういって別れた。 さっきのにおい、コロンかな。 スキップして歩きたい気分だった。
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