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雨は三日間降って四日目の朝やんだ
ぬかるんでいる道は、夏の暑さを思わせるような、ムッとした空気を引き連れてきた。
「今日も無理そう」
仕事も積んでいて、お昼はいつもの時間には取れなかった。
「ちょっと遅れたけど、ちょうど乾いてよかった」
一時過ぎ、空いているベンチに座って、お弁当を広げた。
やっぱり、この時間、少ないな
そう思っていた。
上を流れる車が、忙しそうに見える。
だいぶピンクになったな
上のほうから聞こえる笑い声に目をやった。
あ、彼だ!
周りには、スーツ姿の男性と、きれいな女性も何人か、彼の腕に絡めた腕。
やっぱりなー、そうだよなー。
箸を口に入れながら歩く人たちを目で追った。
「おっかしいの、ばかみたい」
勝手にいろんなことを想像して膨らませて、ありもしないことを想像した。
そうだよね。あたりまえだ。
そう言い聞かせ、アップルティーを飲んで、ため息
「さあて、仕事、仕事」
パンパンとスカートを払った。
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