きさらぎ行きの電車に乗って⑤

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と答えが返ってきた。 「誰だ、お前。なんで美和子の携帯を?」 「俺は、中倉だ」 中倉?なんで? 中倉は同じ大学で、あいつも美和子のことが好きだったが、美和子は俺と付き合うようになった。 「もう美和子を苦しめるのはやめろ」 「は?どういう意味だよ。」 「美和子は、お前のことをもう忘れたほうが幸せになれるんだよ」 「何を言ってるんだ、中倉。お前、大学で俺と美和子が付き合うのを祝福してくれたじゃないか。今更なんなんだよ。」 「美和子は、俺が幸せにするから、安心しろ。」 「ふざけんな、お前。まさか、お前ら、俺に隠れて・・・。」 俺はメッセージがまどろっこしくなって、美和子の携帯に電話をかけた。 俺が一生懸命仕事をして、彼女に会いたいのを我慢しているってのに、こいつら・・・。 絶対に許さない。 「和也、和也なのっ?」 その電話に彼女が出た。 「おい、なんでそこに中倉がいるんだ、美和子!」 「和也、かずやぁ、わあぁあん!」 美和子は泣きじゃくるばかりで、まったく話にならなかった。 俺は絶望的な気分になった。 俺は、恋人にも友達にも裏切られたのだ。 「なあ、お前、本当に美和子の幸せを考えてるのか?」 美和子に代わって、中倉が電話に出た。     
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