四、罠

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シレンテラ回廊の扉を入ると、たくさんの天族兵士が常駐していた。  ここは、龍界の要であるパシュマンデル寺院への前哨陣営である。  時々魔族が、インギス地方へ攻め込む場合もあり、天族偵察部隊として動くこともある。    風香たちは、ここで今夜の夕食の準備をしていた。  シールドウィングのリースリットノエルとソードウィングの幽遊亭エンジョイは、無事に 守護者 バルロンを振り切りパーティーメンバーと合流していた。  「さっきの風香の蒼ざめた顔、見せたかったなぁ」  キュアウィングの銀の鬼が、皮肉めいた野次を飛ばす。  「うるさい! 本当に心配だったんだ・・・」  風香は顔を赤らめて、他の人に聞こえないような小声で怒鳴った。  「可愛らしいところもあるんだな。」  リースが風香の顔を見て話すと、照れ隠しで思いっきり肩を引っ叩いた。  「イテェエエエ・・・」  まだ傷の癒えていない体を思いっきり叩かれリースは、悲鳴を上げた。
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