お姉様と狼。

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「だから、俺と結婚して欲しい」 「は?」  突然のことに、いつもの蓮みたいな返答をしてしまった。 「色気のねえ、コメントだな」 「いや、待ってよ。ドッキリ?」 「の為に、バイト増やしてたんだけど?」  と、目線の先には私の左薬指があってそこには、シンプルなダイアのついた指環がいつの間にか輝いている。 「え、あ、ええ!? で、でも、ゆ、夢は?」 「だから、由奈と温かな家庭を築くこと。その為に、早く就職を決めたんだよ」 「じゃあ、私の仕事は!?」 「俺のお嫁さん」  ニコッと笑った蓮が、アワアワしている私のおでこにキスをする。
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