たぶん、ナンパ。

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 そんなこんなで、3人で入ったラーメン屋は狭かった。  細い路地にある、横に長い店で、引き戸を開けると、そこはもうすぐにカウンター席が8席。末広がり。  3人で並んで、彼女おススメのラーメンを頼んですすってるなんて、なんかもう、何しに来たんだか…。  しかし、、、、、ここのラーメン、とっても美味しい!!!   「もしかして、楽器、何かされてるんですか?」  ラーメンをすすりながら、彼女が先輩に聞いた。「お店の名前聞いて、もしかして、リード買いに行くのかなって思ったんで…。」そう彼女は付け加えた。  そうそう、彼女、高校生の時は吹奏楽部所属だったっけ。 「うん。俺はサックス。アルトね。こっちはマリンバ」  マリンバってなんだっけ?といろんな楽器を浮かべたが、どれもリンクしなかった。 「お姉さんは?」 「わたしは高校の頃、フルート吹いてたんです」 「あー、確かに。フルートっぽい」  そう先輩が微笑むと、彼女はパッと顔を赤らめた。  おいおいおい、運命の相手に引き合わせようとしてるっていうのに、ときめかせてでどーすんのさ。
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