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(ええええ、うそでしょ~~~!)
本来ならば、最終的に願いを叶えるのは、所長神の役割だ。
だって、所長が奉られている神社にきた願いだからだ。
しかし、所長は一人。
でも、奉っている神社等施設は沢山ある。
よって、実はこういったことはままあって、所長クラスの神力が必要、とまではいかない小さな案件は、代行でそれを調査研究した神達が願いを叶えることが多いのが現状だった。
「で、でも!私はまだ新米で、生き物に影響を与えられる神力も殆どありませんし…」
「ふうむ」
所長神はすこし考えこんだものの、ぱっと顔を上げると私の後ろに向かって大きな声で呼びかけた。
「ほら、そこの君!この子よりは先輩だよね?」
「?? はい?」
呼ばれた神が私の隣に並んだ。
(おっ、……)
「君、この子の仕事手伝ってやって。大した事ないんだけど、急ぎなんだよ。よろしく」
「えっ、マジすか?」
実は、ちょっとだけ、ラッキー!って思ったこの時は。だって、ひそかにいいな、って思ってた先輩神だったからだ。
いつもは遠くから見てるだけだったから、こうして並んで立つのは初めてで。
(背、たかい…)
そんな事にすらきゅんきゅんしていた平和な自分。
……後から、惚けてる場合じゃねーーーーー!ってなるんだけど。
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