たぶんも何も、初仕事。

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 ターゲットの彼女は、調べた通り、今日も朝から会社へ出社し、相変わらずぱっとしない表情で仕事をこなして、定時を少し過ぎた頃に退社した。  返り道は、ちょっと寄り道したりもするが、用事がなければ大概まっすぐ帰ってしまう。  …隣県まで行けば、運命の相手がいるっていうのに!  まぁ、用もないのに、他県まで行かないからしょうがないのかもしれないが。    でも、この日は違った。  相手が、彼女と同じ県に、しかも、同じ街まで来ているのだ。たしか、出張かなにかだったと思う。  この機会を逃すべからず。  というわけで、先輩と二人、下界に降り立った次第だ。  目の前にはすでに、例の彼女が。  …で、新米君の提出した計画書によると、ここで彼女を、なんだか今日は気分転換に違う所へ行ってみようかな~って気にさせて、相手が働いているデパートに向かわせる、ってあったけど、新米君できるの?  …まさか!そんな高等神力あったら、先輩にお手伝い頼まなくてもいいじゃないですか。  …それもそーだな。  ちなみに、我々はテレパスで話ができる為、今はただの、彼女の後ろを歩いている二人組のはずだ。  …んじゃ、今日のこちらの出方は??  …え、先輩考えてくれてるのかと思ってたんですけど。今日行こうって言ったの先輩だし。  …おぅい。担当神としての責任感どこいった。  私がつーんとしていると、先輩はやれやれと前を歩く彼女を観察し始めた。  あーあ、この横顔。鎖骨から首、顎にかけての骨格が最高。
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