たぶん、ナンパ。

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たぶん、ナンパ。

  「あ、そうだ、丁度良かった」  突然、先輩が彼女に話しかけた。彼女も真っ赤な顔できょとん、としている。 「俺達、この辺初めてでさ。この楽器屋探してるんだけど、どのあたりか知らない?」  そう、スマホで地図をだして、道を聞き始めた。もしかして、迷ったふりして誘導するのか、と思ったのだが、、、 「あー!分かった!ありがと」  そう、会話は終了し、彼女はまた前を向いて歩き出した。 (道聞いただけかーーーーい)  その叫びが顔に出ていたのだろう、なぜか先輩、ここで私に不敵な笑み。  そして、再度、歩いていく彼女を追いかけていく。 「まってまって、ついでに、近くで旨いラーメン屋とかない?」  ラーメン???…あ!そういえば、好きな食べ物はラーメンだったよ彼女… 「あ、おススメのお店ありますよ」 「おーいいね!良かったら一緒に行かない?お礼に奢るよ」 「ちょっとまったーーーーーー!」  とここで、私、思わず乱入。 「それって、ただのナンパじゃん!!」 「ええ、ラーメン屋でナンパって…」 「えっと、彼女さん、ですか??」    かかか彼女!?  途端に無言でぶんぶん首を振ったら、先輩ががっかり、な表情で彼女を見て、彼女はくすくす笑った。  ななななんなの!!??
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