七、運命

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風香一行が、パシュマンディル寺院を目指しステリア聖地を経由している頃、首都エリュシオンは美しい夕日に包まれていた。  同じ頃、図書館で調べ物に夢中だったキュアウィングのねねこ、スペルウィングのみつはの所へ訪れようとする人影があった。  「流石に疲れたぁ。頭がパンクしちゃいそうよ。」  先に根を上げたのは、ねねこだった。  「そろそろいい匂いがしてきましたね。夕暮れ時の夕飯の香りって・・・すごく 美味しく感じませんか?」  「わかる! それわかるわ!」  他愛も無い話で二人は盛り上がる。  その人影は、そんな二人を眺めながら万遍の笑みを浮かべた。 「お二人ともそろそろ休憩しませんか?」  ニコリと笑う笑顔は、ニヒルで相当カッコいい。  聞きなれた声に二人は笑顔で振り返った。 「まんぷくさん!」  キュアウィングのまんぷくが、心配して二人の様子を見に来たのだ。 「お嬢さん方、そろそろお茶でもご一緒しませんか?」 「はい!」  弾むような声で、二人は図書館を後にした。
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