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「ブヘマか・・・ルドラは、どうしておる」
神殿内は、荘厳な教会のように神聖な雰囲気である。
階段に敷かれた大きな赤い絨毯が、龍族にとって大切な神殿である証を意味していた。
内部を照らすのは、燭台に刺された蝋燭の明かりだった。
その数は、数え切れないほどであった。
「あの戦いから・・・もう一万年かの・・・」
「そうです・・・よね」
遠い目をしてブヘマは、蝋燭の明かりが揺れるのを眺めた。
龍族同士の戦いは、常に起きていた。
龍族として産まれた定めなのである。
ブヘマは、ルドラがティアマトに挑み敗北したあの日を思い出していた・・・。
ただ、強い者が龍帝の座に座れるのである。
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