八、泥濘

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仲間といっても敵対種族である。  お互い腹の探りあいをしているようだった。  しかし、風香はなぜかこのブヘマが悪いことをしようとしている気にならなかった。  短い間であるが、共に寝起きし生活しているからかもしれない。  気がつくと、目的地である守門長 マノアリムの前に立っていた。    「あの箱の隙間で重なり合うように戦おう」  グリバースが的確な指示を出す。  周りのモンスターを片付けてから、彼らは箱の隙間を目指して突撃した。  アゼレアが全員にゲイルをかけた。  これでしばらくは、攻撃されても耐えしのげる。  スペルウィングのノルマとスピットウィングのマタドールが、魔法で援護攻撃をする。  風香も弓で軽快にジャンプしながら攻撃をしていた。  狭い箱の隙間であったが、見事な攻撃のシンフォニーを奏でていた。  やがて守門長 マノアリムは、大きな音と共に崩れ落ちた。
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