八、泥濘

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 今は心に閉まっておこう・・・。  ブヘマは決心した。  すべては、幽閉された暴風のルドラの為なのだ・・・。  グリバース一行は、その後も順調に匠人ダルシミムを倒し、ようやく目的地であるグランド メタラジスト ドビルカムの前に立っていた。  風香が突然ブヘマに土下座をして頼みこんだ。  「頼む!ルドラ弓貸してくれないか?」  「しかし、これはティアマト様の配下に返すつもりなのでは・・・?」  「無理なんだよ・・・この弓じゃ・・・」  風香はボロボロになったルーインエンシェントゴットロングボウを見せた。  弦が切れそうになっている。  難しい顔をしていたブヘマだったが、風香を信じてもいいのかなぁと思った。  「じゃあ少しだけですよ・・・」  そういってブヘマは首に着けていたネックレスを外して、祈った。  空中に弓が光輝き浮いている。  ヒーロの弓の繊細な美しいラインが見えた。
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