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未来の世界? 後編
僕はその日もいつもどおり証拠となりそうなものを探した。しかし、何も見つからない。
だんだんやけくそになってきた。そもそもこんな怪しい食べ物があるから仕事が早く終わらないんだと八つ当たりをして、思い切り噛み付いてやった。これが犯罪だと気が付き食べるのをやめようとしたときに気がついた。
なんと針がついていて引っかかっていたのだ。するといきなり上から釣り糸で引っ張られた。
人生で初めて海から体が出た。目の前には棒が4本刺さったような変な魚がいる。
おそらく誘拐犯なのだろう。大声で叫ぼうとするが海中ではないのでうまく声が出ない。
ここで僕は悟った。おそらく自分らよりも下等な生き物が無駄に持て余して僕ら真鯛を食べていることを。
見習い漁師の安藤
「何か引っかかりました。きっと大物ですよ佐藤さん。」
船長の佐藤
「長靴だったら大笑いしてやる!ワハハハ」
安藤が釣り竿を引っ張ると先端には真鯛が釣れていて大暴れしている
「や、やりましたよ佐藤さん!真鯛なんてめでたいですね!」
魚にとっての3000年目は人にとっての1900年代だったのだ。
教訓
世界は自分が思っているよりも必ずでかく面白くできている
一匹の真鯛の命を奪おうとしているのに「めでたいと」はしゃいでいる人という生き物は愚か者!
どんな魚にも人生ならぬ魚生がある。残さずすべて食べるのが警察官への敬意の表し方だ
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