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初めて入る祠の中はじめじめと湿っぽく、黴臭い。
奥に入るにつれ光は届かなくなり、手元のランプ一つだけではなんとも心許ない。
暫く真っ直ぐな一本道を歩くと、突き当たりに祭壇のようなものが見えた。
そこだけ蝋燭の火が灯り、ほんのりと明るい。
祭壇の後ろの壁には姫神様を描いたであろう壁画があり、祭壇の前には呉座が引いてある。
それ以外には何もない。
意外と殺風景な場所だ。
こんな所に死ぬまで一人で居るなんて、気が狂いそうだ。
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