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「ほんとにいいのか?」
心配そうな声で裕兄が私の顔を除き混んでくる。
「いいの。裕兄こそ大丈夫なの?」
「俺は千賀子さえいいなら・・・」
裕兄の目をしっかりと見ると、私はコックリと頷いた。
裕兄も頷き返すと、徐に壁画の一部を確かめるように手で撫でた。
すると、一ヶ所だけベコッとレンガ一個分くらい引っ込む箇所があり、そこを後ろに押し込む。
ガガガ・・・・・・
大きな音がしたかと思うと、壁画部分が真っ二つに割れ、その奥に通路らしきものが現れた。
通路は真っ暗で先が見えない為、何処までも繋がっているように見える。
その闇に自分も呑み込まれそうで不安になる。
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