4日目<3段乗降ステップ>

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2台は程なくして納品先へ着いた。が、鈴はなかなか運転席から降りなかった。いや、降りれなかった。満子に怒られる……。そう感じていた。 不審に思い、受付を済ませた満子が鈴の車へ向かった。 「おーい、りーん。どうした?気分悪いのか?」 「……いえ、ひっ、だいじょひっ、だぃじょぅぶ、です」 ハンドルに突っ伏したまま返す。 「おーい、早く降りないと先方さんに迷惑だろ~。しかたないやつだなぁ……」 下車を促すが、ちっとも降りない鈴に面倒臭そうに運転席のドアを開ける。 「おーい、疲れたのか?まあここまで3時間乗りっぱなしだったからな。ほれ、コレやるから降りな」 さっきと様子が違う満子に戸惑いを感じつつ、顔を上げ、恐る恐る満子の方へ向いた。 「!?なんだよその顔!おまえ泣いてんのか?なんで?目、真っ赤!」 「……だって、さっきTELで……ひっ、ひっ」 そういうと、また涙があふれ出した。 「ひっ 、ミ、満子先輩も目が腫れて真っ赤ですよ?」 「コレはさっきだな……その……男が……」 「……男?」 ふたりは顔を見合わせ目を丸くした。 そして、お互いに事の顛末を話した直後、両者は抱き合いながら再び泣き出した。さっきよりも一層大きな涙が頬を流れた。 納品先のスタッフは、不思議そうにふたりを見ていた。 「あ、満子先輩、わたしコーヒー飲めないです。しかもブラックだし……」 「うっせー、演歌娘」 さっきまでの曇り空は、いつのまにかすっかり晴れ渡っていた。 4日目終了。 今日も一日お疲れ様でした!
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