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一方、学園祭から一夜明けた三条三女の桔梗は、プロデューサーの御所ノ内と会っていた。
「本当にいいのか?」
「はい、昨日のライブでもう大丈夫かと」
「……わかった」
桔梗の力のある眼を見て、御所ノ内は静かに頷いた。
その頃、純と愛はミーティングルームで桔梗を待ちながら昨日を振り返っていた。
「ごめんなさい……私が怪我したせいで」
一人肩を落とす愛を純が慰めていた。
愛も薄々感じていた。あの場は勢いで乗り切ったが、同じ手が通用するとは思えなかった。見せたいものが見せれなかった愛は、悔しさのあまり、涙を流した。
「愛、もう泣かないで。私たちが泣いてたらファンは笑えないでしょ?」
「純ちゃん……」
「何をメソメソしてる?湿っぽいなあ」
「桔梗さん!」
「キーちゃん!」
「終いにカビ生えるで!?昨日は昨日!前向いて進まないと!な!あんた達なら大丈夫」
冗談混じりに二人を元気付けたつもりが、含みのある言い方に、愛がすぐさま反応した。
「あんた達って?どういう事ですか桔梗さん」
愛の心配そうな顔を見ると、桔梗は深呼吸すると力強く言った。
「……ごしょっぴにはもう言ってあるから心配しないで!」
「何言ってんのキーちゃん?何の話?」
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