67人が本棚に入れています
本棚に追加
今度は純が桔梗に聞いた。
「ごめん。私、次のステージに進むから……」
「え……桔梗さん!じゃあソロでの活動再開するんですね!?おめでとうございます!」
愛は素直に喜んだ。
「……キーちゃん、隠し事しないで。目を逸らさないでもう一度それが言える?」
「さすが純。子供の頃から鋭かったもんね」
そして、桔梗は御所ノ内とのやり取りを二人に話した。
「……と、言うわけで、おめでとうなのは愛、純、あんた達ってわけ!やったじゃない!」
「そんな……じゃあ桔梗さんはどうするんですか!?」
「そうだよ!それじゃ納得いかないよ!ちゃんと説明してよ!」
「説明なら今したでしょ?私も次のステージに行くんだよ。人生のネクストステージに」
飄々と語る桔梗に、こうなってはそれ以上何を言っても響かないことは、純は知っていた。純が頷くと桔梗は微笑んだ。
「純ちゃん!止めないの?これじゃ本当に桔梗さんが!」
「分かってるよ愛。でもこれはキーちゃんが決めること。私たちには……」
純は、最後は声を詰まらせ、背中を向けた。
「そんな……嫌です!もっと桔梗さんと一緒にステージに立ちたい!!」
「ごめんね、愛……あんた達なら、大丈夫」
数日後。
『沢 桔梗、引退!?全治20年の大怪我を理由に所属事務所退社!?』
桔梗は芸能界というステージを降りた。
63日目終了。
明日も元気に笑顔をお届けいたします!
最初のコメントを投稿しよう!