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「おはようございまーす!今日もよろしくお願いします!」
午前8:30。
倉庫内いっぱいに声が響き、また一週間が始まる。
「あっ、蔵さん!この荷物どこにおろしますか?」
五十川 鈴。
声の主は女の子。
今でこそいつもの光景になったが、倉庫内で働く作業員も初めて鈴が来た時は、その声に戸惑った。
「よ!鈴ちゃん!仕事慣れたか?鈴ちゃんが来るようになってからうちのヤツらイキイキしだしてなぁ!なんせここに女の子が納品に来たのは5年ぶりやしなあ。」
「へへへ。優しくしてくださいよ~」
「最初は『この子は大丈夫か!?』て思ったけど、・・・大丈夫やで!しかし、鈴ちゃん来る前に来てた女の子はなあ・・・なんて子やったかなぁ・・・確かミ、ミ、ミッ・・」
鈴は作業を進める。
荷物は自動車の部品。
リフトマンと連携して慎重に動かす。
(よし!完了!!)
「ありがとうございました!」
リフトマン達に挨拶を交わし、伝票を持ち受付事務所へ向かうが、蔵はまだ、誰かを捕まえて喋り続けている。
(蔵さん忙しそうだしこのまま出ようかな。)
そして、受領書を受け取り車へ乗り込もうとした時、蔵がこちらへ『おいでおいで』をしていた。
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