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「あぁ、お疲れ様。五十川氏〜」
午後18時。
近頃この時間になるとこの男、『フトシ』は概ね事務所のソファーでくつろいでいる。
「お疲れ様ですフトシさん。……この人どうせまた『五十川氏〜、何か面白い事ない?』とか聞いてくるんでしょ?応えるの面倒くさいったらありゃしない」
「あの、五十川氏?心の声まで聴こえてますが」
「はい。わざとです」
「もぅ〜、なんか最近あたりがキツいね」
「だって、この一ヶ月毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日」
「同じ事、言ってる。よな?」
鈴が言うより先にフトシが言った。
「分かってるじゃないですか。夢にまで出ないでもらえます?鬱陶しい」
「いやぁ、ゴメンよ」
日頃溜まった(フトシが原因の)鬱憤をとうとうぶちまけた鈴。そして、更にたたみかけた。
「またホクホクしてる……この際だから言っちゃいますけど、フトシさん根っからのMっ気なんですね」
「分かってるじゃ……ないか。五十川氏」
鈴は、大きくため息をついた。
「フトシさんこそ何か無いんですか?面白い事!ほらっ!モンちゃんとか!!」
「んー、文目氏最近忙しいらしくてお互い連絡してないな。たまにラインはするけどね」
(なんだろ、この妙に余裕がある雰囲気は……相思相愛だからか!?)
すると、フトシ。
「まぁ、相思相愛?だからしょっちゅう連絡取り合わなくても?大丈夫?っしょ!」
「デスヨネ。ははは」
鈴は、文目を話の引き合いに出した事を後悔した。
「そう言えば、文目氏の話じゃないけどちょっと前にこんな事があったよ」
「どんな話ですか?」
「聞きたい?それは……」
一言だけ前置きをすると、フトシは続けた。
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