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(えっ!わたし?)
自分を指差しすると、蔵はそうそうと言わんばかりに大きく、早く腕を動かした。急いで駆け寄る鈴。
「な~んや、鈴ちゃんワシには挨拶なしかいな。悲しいわあ~」
「あ、い、いやぁ~。蔵さん忙しそうだったし。すいません。」
「挨拶もちゃんと出来へんドライバーは出入り禁止やな。あー残念残念。」
少し意地悪そうな声で言う。
「す、すいません!」
「はははは!!冗談や、冗談!鈴ちゃん真面目やしちょっと意地悪してみたんや。いや、ごめんごめん!」
(ひーーーん、よかった)
「もう、ビックリしたじゃないですか!あ~ビックリした!」
「ははは!ビックリして喉乾いただろ?これあげるし飲んで!」
そう言うと、蔵は鈴にコンビニ袋を手渡す。
「ありがとうございます!!」
「はい、お疲れ様!またよろしくな。」
「こちらこそ、またよろしくお願いします!」
鈴は、挨拶を終え運転席へ乗り込む。
「へへ~、飲み物もらっちゃった。やったね~!」
気分は上々。
「なっ、面白い子やろ?アレ見たらどんな顔するやろなあ?」
「蔵社長、好きですねそういうの。」
満面の笑みで鈴を見送る蔵とリフトマン。
鈴も、ガラス越しに満面の笑みで会釈し、クラクションを軽く鳴らして現場を出た。
(それにしてもあんなに笑顔の蔵さんみたの初めてかな。あ、そうそう!早速いただこうかな~。あ、でもコーヒーだったら飲めないなあ・・・ガサガサ)
運転席の横に置いたコンビニ袋をガサガサ弄る。
(お茶がいいなお茶、お茶、お茶~♪お・・・・)
取り出したものを見て、鈴は言葉を詰まらせた。
「・・・お、おおぜき」
1件目の仕事が終え、終了報告と、その後の指示を受けるために力を振り絞り会社へTelを入れるのであった。
1日目終了。
今日も一日お疲れ様でした!
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