1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
大雨がやってきた
穏やかな日々を過ごしている花壇のフラワーグループのところにも、ついに大雨がやってきました。
しとしとしとしと…
雨が降ります。
ざーざーざーざー…
もっと降ります。
いつもは心地よい花壇ですが、雨降りとなるとだんだんと水かさが上がっていきます。
壊れた雨どいの穴が開いたところから、しずくがポタポタポタポタと落ちてきます。
しずくの落ちた所の土がだんだんと掘られて、チューリップさんの球根があらわになっています。
「まあチューリップさん、球根が出ていますわよ!」とフリージアさんが叫びます。
「そういうフリージアさんこそ!」とチューリップさんも返事をします。
そうなんです。花壇の中は大変なことになっています。
水がたまり根元もぐらぐらになったフリージアさんとチューリップさんは、洪水になった花壇の水があふれて流れ出したのと同時に流されていきました。
「きゃ~流されますわぁ!チューリップさん大丈夫ですの?」
「大丈夫かどうかわかりませんわ!フリージアさんは大丈夫?」
流されて流されて、まるで足が生えているかのように流されていきます。
もしかしたら足が生えていたのでしょうか?
花壇の外に流されたフリージアさんとチューリップさんは、これ幸いと次の住み家を探しに放浪の旅に出かけたのです。
本当のところいつも同じところにばかりいるので、花壇の外も見てみたかったのでしょう。
最初のコメントを投稿しよう!